生活すること
生きているだけで褒めてほしい、とは言わないけれど
生活していることは褒めてほしいと思う。
朝起きたとき、
わくわくするほど空が晴れ渡っていて、はやく布団を干して、太陽の匂いがするフカフカの布団に飛び込みたいと思う日もあれば、
ひたすら遠くにずんずん歩いて、知らない土地に着きたいと思う日もあれば、
何もしたくない、何も考えたくない、じっと動かないでいたい日もあるけど
スヌーズの合間の5分間で いろんな気持ちをギュッと押しやって
起きて、顔を洗って、身支度をして、すこし朝ごはんを食べて、ゴミを捨てて、昨日と同じ時間に家を出て、昨日と同じ時間に会社のデスクに座っていること。
飛び上がりそうに嬉しいときも、世界の終わりみたいに哀しいときも、疲れ果てて何も考えられないときも、特に何もないときも、なんだかんだおなかは減るから、
スーパーに行って何か買って、料理するなりあっためるなりして、お皿とお箸を並べて、盛り付けて、ごはんを食べる。食べ終わったら、洗い物をする。
疲れて洗い物ができないと、次の日も汚れた食器は机の上に置かれたままになってしまう。
夜はお風呂に入って、髪を乾かして、あまり遅すぎない時間に寝る。排水溝の髪の毛をティッシュで取って捨てる。
週に一度は家の掃除もする。掃除機をかけて、トイレを磨いて、お風呂を磨いて、鏡を拭く。生活しているだけで、瞬く間に汚れは溜まってしまうから。
生活すること、毎日一つ一つこなすこと。
思ったより大変で驚く。
道ゆく人たちは、涼しい顔で生活をこなしているように見えて、また驚く。
がんばって生活してるんだぜ。
がんばってるから、誰か褒めて。